*本ホームページ内に掲載の記事・写真などの一切の無断転載を禁じます。
*すべての著作権は辻井こども総合研究所に帰属します。
![]()
世界から約20ヶ国の幼児教育の専門家が集まったこの国際会議。
ノーベル経済学賞を受賞されたシカゴ大学のJames Heckman教授も参加され、「乳幼児期の投資とその利益性」について語られました。
![]() |
![]() |
![]() |
| (左)国際会議が行なわれたミュージアム (中)国際会議の様子 (右) Lieselotte Ahnert博士 @今年の国際会議は、インドや中国の大学関係者から多様な報告がなされた意義のある会合でした。その中の一つ、ドイツのケルン大学教授 Lieselotte Ahnert博士(写真右)の発表は興味深いものでした。彼女は乳児が保育園に預けられた時の不安感を研究しておられ、今回の発表では登園からお昼頃までに乳児の不安感はどのように変化するのかを分析していました。一般的に、乳児は登園してきて親との別れ際に強い不安感を抱き、それが保育者に世話されるに従って、次第にその不安感を和らげるという内容でした。このような見解は現場の保育者もよく知っている意見ですが、Lieselotte博士の調査の一つに、親が側にいても不安感が取れない乳児が、保育者に抱かれると不安感を和らげるという例がビデオで紹介されていました。はっきりとした理由は分からないのですが、おそらく、保育園でいつも同じ保育者に同じやり方で世話されているという安定感から不安が取り除かれるのではないかと彼女は解説していました。彼女の結論は、保育園での受け入れ(Welcome)、特に乳児の受入れ方法についての研究はまだまだこれからだということでしたが、時間が経てば慣れるからという安易や考え方ではなくて、やはり、乳児室の保育環境や保育者の受け入れの態度等を配慮しながら乳児の受入れ(Welcome)方法を模索するべきだとおっしゃっていました。保育室の中で子どもが探索心をもって自主的に遊べるようになるには、子どもの心が安定していないと始まりません。現代、色んなリズム感をもった子どもたちを受入れるということに、もう少し丁寧に取り組んでいかなければと考えさせられました。 また、“どのような器具を使って乳児の不安感の変化度を調査するのか?”と彼女に聞いてみると、登園してきた乳児にゴム製の安全なおしゃぶりを与えて、その噛み具合を研究室に送って変化を調べると教えてくれました。の動き方などの保育で必要な技術の話も講義しました。現在の日本の問題を解く糸口として、ヨーロッパ諸国のフレーベルやモンテッソーリといった名だたる先駆者たちの考えから学ぶため、教育思想や実際の様子が紹介されながら講演会が進んでいきます。 |
||
![]() |
![]() |
![]() |
| (左)Dr.Kuyk・辻井・中国の朱家雄教授 (中)会場にはコーヒーと軽食が用意されてます (右)オーケストラによる演奏で一息 Aオランダの国際会議の進行方法で感心させられるのは、講義の時間単位が45分間だということです。日本の大学ではひとコマ90分ですから少々短くも感じますが、聞き手にとっては、特に外国語で話される講義には程よい時間です。その代わり、実に多くの人が発表できるチャンスに恵まれる利点もあります。大きな流れの中心となる幾つかの講義は全員参加ですが、大半はワークショップと呼ばれ、話し手も聞き手も一緒に参加するという考え方の講義形式で、聞き手に自分が聞きたいのを選びなさいというやり方です。日本で言うと分科会のようなものです。45分毎に短い休憩時間があるのですが、それぞれがコーヒーやスナック菓子を取りに行き、リラックスした時間を過ごします。オランダ人はこういった『ようこそ』というもてなしが上手でいつも感心させられます。そして、意外にもこの短い時間はとても重要で、聞き手同士が仲良くなり名刺の交換から互いの国の話を交換し合ったりする時間として使われます。 会場のある町アーネムの伝統的なオペラハウスだということもあり、お昼の休憩にはアーネム・フィルハーモニー管弦楽団という本格オーケストラが演奏のサービスをしてくれます。オランダ人の気質もあるのでしょうが、“楽しむ”ことに重きをおいているように感じます。この管弦楽団は、昨年、小林研一郎氏という日本人指揮者による演奏会が東京、横浜、大阪、山口、九州で行われました。また、皇太子殿下ご家族がオランダの女王様に招かれて滞在されたのもアーネムの近郊で、愛子様とご一緒に訪れられたのがアーネムの動物園だったため、オランダ人は好日的な雰囲気でした。 |
||