
2006年にオランダで行われた国際幼児保育大会の分科会で、私は日本の子どもたちの生活、特に、保育室や教室における子どもたちの落ちつきの無さについて話しをしました。朝からアニメの戦闘ごっこが展開されているだけでなく、子どもたちの騒がしい声やテンション(緊張感)の激しい行動が気になると語りました。私の講義が終わるや否や、駆けよってきたイギリスの保育者は「日本はしつけの厳しい国で、子どもたちも大人の言うことに従う」と信じていただけに私の話には驚いたようです。幾人かの国の人たちとこの現状について話して至った結論は、経済的に成功している先進工業諸国の子どもに共通した現象だという理解でした。イギリスの保育者が補足したのは、今、ロンドンの保育・教育者の間で話題になっている本は「Toxic Childhood=文化的に汚染された子ども」(パー・スー女史著)というレポートだそうです。子どもたちが激しいテンションで動き回る理由の一つは、大人が想像する以上に子どもたちは、暮らす、食べる、睡眠、学ぶ、テレビゲーム、テレビ等から受けている影響は大きいと、実証的な数字を挙げて書かれているそうです。子どもたちは視覚的(テレビ、テレビゲーム)には強烈は刺激を受けて育ちますが、現実体験は恐ろしいほど皆無だという事実と、個人の主張は強くなってきましたが、他者との関係は反比例して希薄だという説です。このままでは子どもたちは自我が未熟なままに成長し、他者への配慮が希薄なために、ますます子どもの反社会的な行動が増えると警告されているそうです。子どもの育ちは、「愛情と世話」と「遊びと学び」が一体となっているだけに、子どもたちをあたたかく見守る柔らかなものの見方が必要です。
このコンテンツでは、乳幼児期の子どもの発達や遊び、おもちゃに焦点をあててコラムを掲載していきます。
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